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最後笑って、勝ちゲームいただきます

ドキドキ。嫌な予感がしている。大抵の仕事には、その仕事を始める前までの担当者とのやりとりがあり、その丁寧度合いで当日の空気感をおおよそそよ子が出来たりするものだと思う。丁寧な担当者との現場はやはり丁寧だし、雑な人は現場も雑である場合が多い。だからこそ、嫌な予感がしている。側から見ると華やかな海外仕事も、実は毎日こんな闘いの連続なのである。




 

 

今年の頭、確かオーストラリアに滞在中にこの仕事のオファーをいただいた。海外のファッション誌で、なんと表紙であると聞かされた僕は、素直に嬉しかった。直近の表紙を担当する人たちの顔ぶれも豪華で、光栄なことだと確信していた。ニューヨークで撮影する方法と、日本で撮影する方法を選択する事ができたので、迷わず日本での撮影を選択した。カメラマンに良い候補者がいるかと聞かれたので、蜷川実花さんのお名前をあげた。紙面のインタビューには同業者であり、仲のいい人をとの事だったので、数名の友人たちをリストアップした。間違いなく面白いものになる、ファンの人たちも喜んでくれると確信していた。

 

撮影日が近づき、徐々に違和感を覚える。先方との連絡はもちろん英語で、時差があり、マネージメントの小林が丁寧に対応してくれている。「笠松さん、当日の詳細が決まらないまま、連絡が来ません」と、彼女が慌てて僕に連絡をくれた。「いや〜、流石になんとかなるでしょ」と、僕はこの違和感を敏感に感じ取れずにいた。撮影当日、本当に早朝に、今日の撮影は延期だというメールが入った。理由についてもしっかりと説明がされず、僕たちはもやもやした感情を抱えていた。こういうことは海外案件には付きものなのである。当たり前のように湧き出ては、当たり前の様に消えてなくなる。こんな不安定で、不確かで、不明瞭なものに人生を賭けているのかと、心が荒んでいくこともある。

 

「舐めている。断っちまおうぜ、ムカつくから」

 

僕のスタンスはいつだってこんな感じだ。思い切りがよく、覚悟が決まっていてかっこいいかもしれない。自分の想定を超えるものに対して臨機応変に対応できない自身の器の小ささなのかもしれない。アメリカのマネージメントやエージェントを挟んで、僕の機嫌取りが始まる。「次、同じ事があったら、二度とやらない」と、僕はもう一度頑張った見ることにした。断る勇気がなかったとも言えるかもしれない。

 

取材の当日、指名した相手と、僕と、ズームの入室を待機していた。先方から連絡が来て、今回の担当者が時間を間違えていたので少し遅れる、といった連絡が入る。おいおいおい。イエローカードは出切っているはずだろう、と僕はフラストレーションをしっかり貯金していく。指名した相手にも、マネージャー小林にも、僕の機嫌を取らせてしまい恥ずかしいのだけど、とにかく僕は中途半端なことは嫌いなんだ。ムカつくんだ。なんとか無事にインタビューを終わらせた。ちなみに、この日はたまたま中野で買い物をしていて、ズームで取材中にコミュニティメンバーに遭遇している。明るい髪色の印象があった彼女は髪の毛が黒くなっていた。

 

本日の撮影についても、たくさんの不明点がある。心配だ。とにかくやるしか無い。蜷川さんにこういう状況だということを先に伝える。実花さんとは久しぶりの仕事になる。何年ぶりだろうか。楽しみでありながら、ちょっぴり照れ臭さもある。そしてなんといっても、本日の天気予報は豪雨らしい。


さあ、ここまで来たらいくとこまで行こうぜ。

始まりから終わりまで、悪運続きのこの案件に、終止符を打ってこようか。




39件のコメント

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39 comentarios


yacco
yacco
13 may

本当だ!こっちの写真素敵!!!

雑誌楽しみにしてます😆

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海外の雑誌かぁ、日本で買えますよね🥹笠松さんコーナー作らねば!

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みなみ
みなみ
13 may

前のコミュニティと同じ写真をあげてくれてるのに、

こっちの方がより一層、色気ダダ漏れなのは何故かしら🥰?

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わぁぁ😆💕蜷川実花さんとご一緒のお仕事なのですね👏えんとつ町のプペルのPVで拝見したのが懐かしいです✨またYouTubeで見直してみようかな😙

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こちらの写真、すごく素敵😊💞

どんな表紙なのかインタビューなのか、今から楽しみにしています♪

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